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良性発作性頭位めまい症

良性発作性頭位めまい症とは

耳が関係するめまいの中で最も多いのが、この良性発作性頭位めまい症です。内耳の障害によるめまいのうち60%程度が良性発作性頭位めまい症であると言われています。
布団から起き上がろうとした時や寝返りをうった時など、頭を動かすようなタイミングでめまいが発生します。

良性発作性頭位めまい症

良性発作性頭位めまい症の原因と症状

原因

耳の鼓膜の奥の骨に囲まれた部分に内耳という器官があります。内耳には体のバランスをとる前庭(三半規管など)と、
音を聞き取る蝸牛(かたつむりの形をした管)という器官があります。良性発作性頭位性めまい症は、
このうち三半規管の一時的な障害によって起るといわれています。

内耳の中には耳石というカルシムでできた石があるのですが、通常耳石は頭の動きに応じて動き、
それが脳に信号として送られ、頭が動いていると脳が認識します。
その耳石が何かの拍子で剥がれ落ち三半規管の中に入ってしまうことで三半規管内のリンパ液の流れが誘発され、
実際には頭が動いていないにも関わらず、内耳から脳に頭が動いているという間違った信号が送られてしまいます。
そのため実際の動きと脳が感知した動きが異なり、めまい症状として現れます。

症状

急に起き上がったり、急に寝たり、寝がえりをした後で数秒から1分程度のぐるぐる回るめまいが起こります。
体位変換後、めまいがおこるまで数秒の間があります。めまいがひどいと、吐き気や嘔気を伴います。
寝がえりなどの動作の度にめまいが繰り返して起きることが特徴です。

難聴、耳鳴りなどの耳の症状や、手足のしびれや麻痺、口のもつれなどの頭の病気の症状は伴いません。
これらの症状があるときは、メニエール病や、脳硬塞など他の病気の可能性があります。首から頭への血の巡りが悪くても、
首を動かしたときのめまいが起きることがあります。これは頸性めまいといって、首をまげて下を見た時や、
上を見上げた時にもめまいが起きます。

良性発作性頭位めまい症は、長時間頭を動かさずに同じ姿勢でいることで起こりやすいと言われています
デスクワークが多い方、低い枕で寝ている方は注意が必要かもしれません。

良性発作性頭位めまい症の検査と治療

検査

寝たり起きたりしたときの目の動きを観察する眼振検査や、聞こえの検査などを行います。
めまいがしている時に、目の動きを特殊なレンズで拡大して見ると、実際に目が回っている様子が観察されます。

治療

めまい止めの薬や安静が主です。お薬でめまいをその日のうちにすぐ止めることは難しいです。
めまいのリハビリ(めまいがしても積極的に体を動かす)で早く良くなることがあります。

良性発作性頭位めまい症の予後

通常、数日から数週間(平均1週間)めまい症状が続きますが、毎日少しずつ良くなっていきます。
めまいが治ったあとは、約90%の方は、もう症状が起こりません。
約10%の方は、数ヶ月から数年毎に同様なめまい症状を繰り返すことがあります。

監修:こだま耳鼻科 院長 児玉広幸(日本耳鼻咽喉科学会専門医)

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